書きたい衝動に素直でいよう(挨拶)
アイカツスターズ!21話に完全にやられました。やってくれたなという感じです。もともとあらすじ読んだ時点で、劇場版以降で初めてゆめとローラが対決するって時点ですごい回になることは予感していましたが、まさかここまで色々と突っ込んでくる回になるとは……
もうアレコレ考えだして止まらなくなってしまったので、いっそ記事にまとめる形で書くことで自分の思考を整理したいという感じです。
ここまでにアニメで描写された内容は全て材料として踏まえていくので、劇場版の内容についても特に断りなく触れていきますので、一応ネタバレの注意を書いておきます。(といっても、もう公開されて3週間経過しているので、こういった記事に辿り着く方がまだ観ていない可能性は低そうですけど……)
アレコレ考えたことやTwitterに書き散らしたことや、Twitterで目にした他の方の発言も混ざり混ざりの話になると思いますが、書いていきます。
21話の情報整理
まずどこから書いていこうかな……という感じですが、ひとまず21話の流れや登場した要素をまとめてみます。
・歌組でCDデビューを賭けたニュープリンセスCDオーディションが開催される
→毎年恒例で、歌組1年からデビューさせている
→昨年は芦田有莉さん、一昨年は白鳥ひめさん
→ニュープリンセスはローラにほぼ内定している
・合計30kgのトレーニング着を身につけての歌組レッスン
→どのレッスンでもゆめとローラがトップを争う実力である
・有莉ちゃん先輩から昨年出したCD(恋人岬)を貰う
→「指田プロデューサーの歌に関する評価は本物」という話も出てくる
これは本筋に全く関係しないんですけど、どうしてもしたい話なので強引に差し込みますと、グッタリしてる時でもスリッパをちゃんと整えているローラちゃんは本物のお嬢様。
(追記)なんと有り難いことに、実際に制作陣の深いキャラクター理解の賜物である表現だったという解答がいただけてしまいました……ありがとうございます……
こちらで触れられているスリッパの件は、自分も驚きました(もちろん脚本には書いてない)。絵コンテと演出を同じ人が担当するのが、やはり理想だし、担当された伊藤良太さんのキャラクターの理解度と、細やかな気配りを感じます。 https://t.co/LahKb9f3nB
— 山口宏(脚本家) (@Yamayama800) 2016年9月4日
(追記終わり)
・ゆめとひめ先輩の会話
→ひめ「ゆめちゃんは、何のために歌っているの?」
→「私から言えるのは一つだけ。自分自身の力で歌うこと。実力以上の力は、いつかきっと綻びを生む」
・オーディション開催
→どの審査でもやはりゆめとローラが2トップ
・デビューはローラでほぼ決まっていること。ローラの方が優れているという指田Pの会話をゆめが聞いてしまう
・「ゆめとローラのどちらが歌上手いか」を小春に聞く
→小春「上手さだったらローラの方が上だと思う」「けど、ゆめちゃん、ときどきステージ本番でいつもと違う感じになるから。あの時のゆめちゃんなら、ローラよりも……」
・POPCORN DREAMING♪のステージでゆめが"力"を発揮する
→指田P「これが、ひめちゃんに続くダイヤの原石」
→学園長「あの力、これ以上はもう見過ごせんな。悲劇を繰り返さないためにも」
→ゆめ、咳込む。次回予告でも咳込む
"力"とは何なのか
さて、21話でも発揮された、ゆめちゃんの持つ謎の"力"について、これまでに出てきた描写を整理しつつ考えていきます。ここで言う"力"はもちろん、ライブ中にサビ前でカットイン入って虹が4重にギュイーン!ってなるアレです。とにかく、やべ~勢いですげー盛り上がる力です。
この"力"について、作中でも特にこれを指す具体的な名前が登場していないので、今回は"力"という表記にしています。名前は付いていることが大事なんだよな、うん。
○ゆめちゃんが"力"を出した回
21話までで、4回登場が確認できます。それぞれの登場回と、その後の描写をざっくりと。
・1話『ゆめのはじまり』(お披露目ステージ)→ステージ後倒れる。ステージの記憶が無い
・10話『ゆめのスタートライン!』(ソロライブ)→特に反動の明示なし。普通にステージに立っている
ステージ後の学園長の言及「なるほど、やはり虹野ゆめは」「虹野ゆめ、あの力を超えることができなければ、君のアイドル生命は…」
・18話『ゆりちゃんとー緒』(ワンマン手作りライブ)→咳込む、立とうとして軽くバランス崩す
・21話『勝ちたいキモチ』(対決オーディション)→咳込む
これらの描写から、"力"の使用には何らかの肉体的負荷が発生すると推察されます。
○"力"に関するその他言及
後段でも触れますが、"力"について明確に知っているのは、現状で学園長とひめ先輩のみと思われます。この2人が"力"について、ある程度明示的な発言をしていたのは以下の場面ですかね。(21話は上で書いたので省略)
10話
(虹野ゆめをどう思うかという問いに対して)
ひめ「可能性を感じます」
学園長「君らしい言い方だな」
11話
(なぜゆめちゃんにばかり試練を与えるのかという話題で)
ひめ「ゆめちゃんがあの力を持っているからですか?特別だから?」
(その会話後の学園長のモノローグ)
学園長(そう、虹野ゆめは特別だ、特別だからこそ)
これらから、"力"の存在が確実であること、また、それが認知されていることは確定しています。だからこそ、11話でゆめちゃんを1日マネージャーに指名したり、21話での「私から言えるのは一つだけ。自分自身の力で歌うこと。実力以上の力は、いつかきっと綻びを生む」という発言に繋がるわけですが。
○"力"を知っている範囲
一方、この"力"に関してはあまり広い範囲には知られていないであろうことも、これまでの描写から推察されます。
1話のゆめちゃんステージの後、S4の面々+学園長のリアクションがこちら。
夜空「これって、ホントに1年生?」
ツバサ「ああ、新人の域を超えている」
ゆず「すごい子来ちゃったゾ」
ひめ「虹野ゆめちゃん……新しい伝説が」
学園長「また始まる」
この時点では、"力"を知っているか否かの判別は難しいですが、5話のお茶会『星々の集い』シーンでのゆめちゃんに関する会話が以下です。
ツバサ「あの子からは不思議と目が離せない」
ひめ「ゆめちゃんはもしかしたら私と同じかもしれない」
ゆず「同じ?」
夜空「確かに、キュートでふんわりしているところが似てるかもね」
ひめ先輩のやや踏み込んだ発言に対するリアクションからすると、ゆず様、夜空さんは"力"に関して知らないのかな、と思っています。
ツバサさんはどうなのかというと、明確には知らずとも何となくの察しは最低でもしていると思います。根拠として、ツバサさんはひめ先輩の"力"の発現を目の当たりにしている描写が登場しています。
こちらが3話のシーン。「そこにはひめが居た」の場面です。
で、18話でスバルくんが確認していた過去のオーディション映像。
どちらも『歌組オーディション』の文字が確認でき、同一のオーディションと推察されます。このオーディションが、ツバサさんが歌組でトップを取ることを諦めた決定打であった可能性が高いです。
○"力"を使うことの代償とは何なのか、なぜ公にされていないのか(考察部分)
"力"の代償としては単純に推察される部分で肉体的な負荷、それもアイドル生命に影響を与えるようなものになると思われます。(10話の学園長セリフより)
同時に10話の学園長セリフからすると、何らかの制御方法があると考えられますし、その要素の1つに単純な肉体強化も絡んでくるかなと。最初の"力"発動以降、記憶を無くすような倒れ方をしなくなったのは、四ツ星入学以降のトレーニングが効果しているとも思えますし、ひめ先輩に関しては『ひめトレ』に象徴される超人的な身体能力持ってますしね。
ひめ先輩は現在も"力"を使っているか微妙な部分ありますし、「"力"を使ってもその代償に飲み込まれないだけの『強さ』」と「"力"を使わなくてもトップでありつづけられる『強さ』」だったら、何となく後者を身につけている気もします。*1
そして、なぜ"力"に関する情報が伏せられているのかについてです。単純な話にしてしまえば、なぜ学園長はゆめに「"力"を使うな」と直接言わずに、これほど回りくどい方法で色々と道を阻もうとしているのか、という話です。
これについて、21話でまさしく「21話みたいなことにならないように」という回答が示された気がします。
アイドルとはいえ中学1年生という年齢です。いかに代償があっても、目の前に負けられない・負けたくないオーディションがあり、その"力"を使えば勝てる(=使わなければ確実に負ける)という状況で、その誘惑を我慢できるかといえば中々難しいかなと。
21話において、ローラとの実力差を客観的な評価として知ってしまったゆめちゃんは、「実力以上の力は、いつかきっと綻びを生む」という忠告を受けていながらも、「あの時のゆめちゃんなら、ローラよりも……」という小春ちゃんの言葉によって、ある程度意図的に"力"を発現してしまったわけです。
これらから考えると、ひょっとしたら学園長は過去にそういった暴走で代償に飲み込まれたアイドルを生み出してしまった過去があり、それによって今のような、回りくどく道を経とうとする方針になったのかも……などと考えています。
16話のラストで登場した、S4制服を来たこの写真がとにかく意味深ですしね……
白銀リリィの登場
……と、ここまで長々つらつらと書いてきましたが、これらについての解答や物語の進展は彼女の登場で間違いなく加速します。
3弾特集 3弾シーズンオータムに登場するNEWアイドルを紹介!|ニュース|データカードダス アイカツスターズ!
情報が出た瞬間から「間違いなくヤバいだろ!!!」という動揺が生まれまくりの白銀リリィさんです。『Dreaming bird』も本気すぎます。
アイカツスターズ!ミュージックビデオ『Dreaming bird』をお届け♪
白銀リリィさんについて、その他の情報はこちらのPVから。
19話でチラ見せした、その見せ方も上手いな~と思っていましたが、21話もその示唆を含んでいる辺りが実に上手い。憎たらしいくらいに上手い。『Dreaming bird』早く発売して。
TVアニメ/データカードダス『アイカツスターズ!』挿入歌シングル3 アキコレ
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○歌組幹部生について
上のPVでも言及されていますが、白銀リリィさんは「学園で一番S4に近い存在」という位置づけです。つまり歌組の2年生の中でも一番の実力であることは間違いないでしょう。
ここで、21話の何が気になるかというと、昨年のニュープリンセスCDオーディションでデビューしたのは有莉ちゃん先輩なんですよ。有莉ちゃん先輩なんですよ。大事なことなので二回言いました。
また、指田Pはゆめちゃんのステージを観て、「ひめちゃんに続くダイヤの原石」と、前年に関する言及をすっ飛ばしています。
これらから考えると、おそらく白銀リリィさんは前年のCDオーディション出ていないと思われます。出ていたら実力的に間違いなく指田Pが認識してますしね。PV内でも「体が弱くて暑い季節は避暑地で療養していた」と言われているので、これを素直に受け取れば、去年もこの時期は活動していなかったのかなと。
そういうブランクがあっても「学園で一番S4に近い存在」と言われる白銀リリィさん、そして有莉ちゃん先輩……この辺りの歌組幹部生の動きも気になります。
○ひめとツバサの関係
という、歌組2年生の動きをなぜ気にするかといえば、それが現S4の関係にも、そしてゆめとローラの関係にも何らかの示唆を含むであろうからです。
ここまでの話でも軽く触れましたが、ツバサさんは「そこにはひめが居た」という事実により、歌組から劇組に移っています。その決断には、ひめ先輩の"力"の発現を見たことによる影響もあると思いますし、今のひめ先輩は"力"の存在を知っているわけで、自らの"力"が、その決断に関与していることも理解しているはずです。
その上で、挫折することなく、ツバサさんが劇組のトップに立つ存在になったということは実にすごいことであり、おそらくひめ先輩からツバサさんへの認識として、「尊敬」や「信頼」の思いがあるでしょう。
夜空さんも同学年であり、"力"については知らないにしてもツバサさんの過程は見ている故に、20話でこの2人はツバサさんに対して、「信じてるわ」や「彼女は絶対に飛びます」という姿勢だったのかなと。
まとめると、ひめ先輩とツバサさんの関係性からは「歌組を諦めても他の組で頑張る道もあるし、それは決して逃げの選択などではない」ということが出てきます。
では現2年生を考えます。歌組の時期S4候補としては白銀リリィさん、そして芦田有莉さんですが、どうにも白銀リリィさんが(前情報しかない状態なのにもかかわらず)強そうです。そして、18話でも描写があったように、1年時の有莉ちゃん先輩は劇組幹部生だった頃のツバサさんにお世話になっています。
……という状況の中で、有莉ちゃん先輩はどういう選択をするのか。どうしても気になるわけです。
また、「組を変えず、そのまま進む」という選択も19話において舞組で描かれているわけです。舞組幹部3年生である、桂ミキさんの以下の発言。
「ゆず様は自由で勝手で私たちは振り回されてばかり。でも、ゆず様のダンスを観れば苦労など吹き飛んでしまう。年下なのに、ライバルなのに、あの方が思いっきり踊れるように力になりたいと思ってしまう」
「年下がS4でありながら自分は幹部生である」という状況は、かなり複雑な感情を生み出すに違いありませんが、それでも舞組であり続けるという道を選んでいる。
組を変えてでもS4を目指す道を選ぶか、その組に留まる道を選ぶか、これは別にどちらかが正解、どちらかが不正解という選択ではないわけですが、そのどちらも既に作中で描かれている。アイカツスターズ!は関係性を描いていくのが本当に上手い……
○ローラはどういう選択をするのか
以上を踏まえ、ローラはこの先どうしていくのか、という話になるわけです。
ここに関しては、もうこの先の展開を楽しみに待つしかないなー!と思います。個人的な望みも含めですが、歌組でゆめと切磋琢磨していく展開になると思ってます。というかなってほしい。
アイカツスターズ!における「組」というシステムは本当に上手い要素だと思います。どうあっても各組で頂点に立てるのは1人だけ。いかにゆめとローラが強い信頼関係になろうが、同じ組である以上、トップを賭けて争うことになる。という未来をどうあっても確定させられる、本当にすごい仕組みです。
やはり、アイドル活動!の歌詞にある、「仲間だって時にはライバル 真剣勝負よ」がアイカツ!という作品の下敷きにある状況がさ、ほしいじゃん!!!
まとまらないまとめ
現在進行中のアニメであるが故、結局は「アニメが進行していくのを待とう」という話になるわけですが、それでも21話で「もう~~~~~~!!!」となってしまった自分を落ち着かせるためには、書いてみるしかなかったです。
ゆめとローラに関してのある程度の落としどころは22話で、白銀リリィさんを絡めた部分の話は23話で登場する要素で、また先に進むでしょうし、今はそれを待つばかりです。
いや、それにしてもさ、あれだけパワーのある劇場版でゆめとローラの思い出の曲とも言うべき位置づけになっていたPOPCORN DREAMING♪を、こうして2人が戦う曲としても使うって、凄すぎますよ……21話は録画で観たんですが、2人が出てきた瞬間にステージ背景で察して「うわああ!!!」ってなって再生を一回止めて深呼吸しましたもん。それくらい衝撃でした。
とりとめもない話を書き散らしてしまいましたが、それだけ色々な話を考えられるという意味でもアイカツスターズ!はリアルタイムで観ていくことが本当に楽しい作品です。深読みだろって部分もあるかもしれませんが、グッタリしてるローラのスリッパをキッチリ揃えるくらい、細部まで描写の設定が行き届いている作品です。もう描写の全てを信頼して深読みするぞ!という感じです。
毎度のことながら、書き漏れ書き忘れを後から思い出すような注意力の足らない人間なので、また思い出したら追記します。
心安らかにPOPCORN DREAMING♪をまた聴ける日が早く来ると願って。
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TVアニメ/データカードダス『アイカツスターズ!』OP/ED主題歌「スタートライン!/episode Solo」
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*1:「実力以上の力は、いつかきっと綻びを生む」という忠告をしていることからも、あまり"力"を使うことを肯定していない印象もありますし